薬局を変えるとお薬代は変わる
皆様こんにちは、薬剤師サカモトです
病院で処方せんをもらったときの薬局どこへいこうか、迷う事ありませんか?
本章では薬局によってちょっとだけお代金が違う理由についてです
記事を読んでわかること
本章にて金額の違いとその理由・価格で選ぶべきではない薬局の機能について説明します
- 薬局により値段が違う理由(患者様次第でちょっと安くなる方法)
- 薬局による先発品、ジェネリックの選び方
- 薬局を支払い価格で選ぶべきではない理由
◎効率よく、少し安く薬局でくすりをもらう方法
1〉「可能なものをジェネリックでお願いします」と伝え処方せんを提出します
医院に一番近い薬局だとジェネリックの在庫がなくて先発品でご用意というリスクが比較的少ないです
(ジェネリックに対して不安がある方は~続編 ジェネリックに変更~でお話し致します)
おうちにも持っていなかったらお薬手帳をもらっておくかまたはアプリの手帳用のQRコードなどもらっておきましょう
2〉毎回お薬手帳をもっていく
メリット1:三ヶ月以内に同じ薬局に行くとき調剤料差は140円、3割負担で40円支払額減ります
メリット2:飲み合わせや残薬チェックにて余分な薬は減らせます(減薬分の薬代金分支払い減ります)
3〉異なる医療機関の処方せんを数枚を同じ薬局に同時に持っていく
(2枚目からは処方せん受付の調剤基本料割引があります)
4〉可能であれば(緊急でなければ)時間外に行かない
多くの薬局が土曜13:00以降と日曜は終日夜間休日加算を算定します
平日でも19:00以降と朝8:00以前は同様にかかります
400円(自己負担3割で120円)
業務終了後に間に合って開けて調剤してもらうとさらに調剤技術料が2倍に上乗せされることあります
・支払額に違いが出る調剤報酬
- 薬価
- 調剤技術料(加算料等)
- お薬手帳(薬歴管理料が変わります)・・・2回目以降来局時は持ってた方が安いし、いろいろお得があります
◆薬価
厚労省がきめた薬の価格で、その薬局が採用している薬のメーカーにより同じ成分でも(ジェネリックでもメーカーにより価格差)価格が違います
安いジェネリックが性能・効果が悪いということはありません同等です
薬局は管理者や採用品担当者がその製剤の良好さ・特性・流通の良さ・担当MR(営業さん)からの情報の詳しさなどを時間をかけて検討し、採用薬を選んでおります
もちろん入荷価格も検証はしますが、利益大きいからすぐ安く仕入れられる方に変えるなどはなかなかしません
採用薬担当者や管理者は一日の大半をその採用薬がそれでよいか考えながら調剤業務に向かっています
軟膏の添加剤の違いによる使い心地の良さや目薬の総滴数の違い、原材料の産地も分かれば調べます
検討の結果、先発品のみしか採用しない成分・製品もあります
先発品・後発品(ジェネリック)どちらを調剤しても、薬局の利益は長い目でみて大きなかわりはないです
メディア等でたまに掲載(池上彰さんも言っていた)されている”後発医薬品体制加算”という加算で薬局は儲かるというものは、確かにその加算の利益は大きいですが薬価の高い先発品を調剤した方がその一件の利益だけ見れば、まだまだ高いです
「利益」より「信頼できる品かどうか」が最優先です
◆調剤技術料
薬局より変わる有名なものが調剤基本料で4種あります
(1点は10円です)
調剤基本料 9点~42点まであります。その差33点(3割負担で110円) ※
◆薬剤服用歴管理指導料
調剤と服薬指導をするために情報を集め、考え、記録して与えられる報酬のことです
「お薬手帳」もってたほうが安くなるのがこちらです
3か月以内にお薬手帳持参で同じ薬局に処方せんをもっていくと→43点(注1)
上記以外 → 57点
特養(特別養護老人ホーム)入居者 → 43点
(注1)手帳もってないとだめです、その時作成しても次持って行って43点
その場でインストールしたスマートフォンのお薬手帳でも提示と記録して43点です。
その薬局へ初回来局と3か月以上経過していたら57点です
調剤、説明するのに大切な情報を得られるものを持参することを心掛けれるようにと、持参者には負担減となる仕組みです
また不要な薬を減らせる可能性も高くなり、損なことは一つもないです
手帳持っていくと服用中の薬のこと、持病・既往歴のことも根掘り葉掘り聞かれるのもだいぶ簡略化でき、不要な店舗滞在時間短縮にも一役あります
うすいお薬手帳でもスマホアプリの手帳でももっていれば処方せんと一緒に提示しましょう
薬歴管理料のみ見た場合、薬局変更時の支払額増加 14点(3割負担支払で約40円) ※
安くなるだけではないお薬手帳のメリット
飲み合わせチェック 相互作用だけでなく、違う名前で同じ成分の含まれた薬の重複も確認してもらえます
飲んでいる薬から持病・既往歴などを推測し、その患者様が安全に服用できるかどうか調べます
例えば緑内障の人や消化性潰瘍の方・前立腺肥大のある方には適さない薬などが処方になっていないか等
相性が悪く、効果が落ちてしまって何度も処方や処方変更をうけ受診を繰り返したり、重複服用や効果が出過ぎて副作用が起きれば、また受診と、外出や再診を繰り返す時間も医療費も抑えることができる、有能なアイテムです
説明のときも、以前に飲んだことのある薬と似た薬が出ていた場合に、成分・強さの違いや、また全く同じ薬でも今回はこんな目的でていますよ、などの説明もできることも大きな安心材料となります
◆加算
【重要】以下は各薬局により条件を満たしたとき算定できる技術料です、算定されていない方が安くて健全というわけではありません
・後医薬品調剤体制加算 15点~28点
算定しない薬局と最大28点(3割負担で90円程度)差額 ※
・地域支援体制加算 38点
算定しない薬局と価格差380円(3割負担で120円程度)差額※
お客様へおおきな直接のメリット
1)24時間電話等対応できる(緊急の場合は調剤に薬剤師が出動)こと
2)一定時間以上の開局時間があること(週に3回休みがある薬局は適合できません)
地域支援体制加算算定の時厳正適切な薬学管理と服薬指導の実施がされている審査があり薬局の労力は大きいです
他多くの審査基準があり、こちらを算定の薬局(とくに管理者)は大きな利益を得るかわりにしっかりした医療を提供を継続する義務(プレッシャー)も受けます
・かかりつけ薬剤師指導料 76点
76点(3割負担220円)
こちらが算定される患者様にはその薬局にいけば必ず契約したかかりつけ薬剤師からの説明が受けられ、薬がもらえます
大事なときに助けてくれた薬剤師や、いつも有用な情報をくれる人などお気に入りの薬剤師がいる方にはよい制度かもしれません。
こちらの加算は契約書を書かないと発生しません
契約書のことばかり考えてしまうので、現在私(筆者)はかかりつけ薬剤師の契約は受け付けておりません、来たるいつかのために全員契約書を書いていただいている気持ちで望んでおりますが
上記の基本調剤料と加算部分差額をすべて足して360円くらいです(かかりつけ薬剤師契約無し前提)
≪まとめ≫
各薬局で支払い額は変わります
病院の前にある薬局が安い訳ではないです
基本と加算で300円前後程度の増減です
地方厚生局のホームページでさがして少しでも加算取ってない安いと薬局をさがす方法等もありますが、行きたい立地の薬局(駅近く、家付近、職場近く)に行ってみてお気に入りの薬剤師や店舗を見つけるのが一番のオススメで高コスパです
価格より得られる情報、安心感・満足度で薬局を選びましょう
ネット検索の時間、みつけてそこに行くまでの時間、数百円節約するために使ったらもったいないです
必要な情報しっかりとか・清潔である・内装が好き・聞き上手すぎる薬剤師がいるとか、患者様は人それぞれ望むことが違います
長い目でみまして薬のこと、価格のこと、ジェネリック変更のこと、急な体調変化や副作用疑いの相談など、頼りやすい薬剤師・薬局を探しておくと、何かの時安心ですね
数カ所いくとここなら継続して通えるかもと思える薬局がきっとみつかります
多くの薬局は皆様のかかりつけ薬局になれるように日々がんばってます
参考)
調剤基本料
1 42点(420円)街の小さな薬局~中規模の門前薬局(医療機関の近くの薬局が安いわけではなく多くの薬局がこちら)
2 26点(260円)処方受付回数が多く、一つの医療機関からの処方が多い薬局大型病院の前にある薬局(大型病院の門前が多い)
3 21点/16点 (210/160円)処方受付回数の多いチェーン経営の薬局
特別調剤基本料 9点(90円)病院の中や敷地内にある薬局
後発医薬品体制加算
後発医薬品調剤体制加算1 (ジェネリック調剤計数75%以上)
15点(150円)
後発医薬品調剤体制加算2 (ジェネリック調剤計数80%以上)
22点(220円)
後発医薬品調剤体制加算3 (ジェネリック調剤計数80%以上)
28点(280円)
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