酸化マグネシウム(Mg)と薬・食品の頻度の高い相性例

症状

みなさまこんにちは!薬剤師サカモトです

本日は便秘によく処方される酸化マグネシウムについてです

本章をよんで分かること  

  • マグネシウムと飲み合わせ注意の薬  
  • マグネシウムと食品の相互作用
  • 相互作用を防ぐ対処方法  

それでは始めます  

酸化マグネシウムの治療目的の効果効能

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃炎の胃酸を抑える目的  
  • 便秘症  
  • 尿路結石の予防  

最も多く使われるのが便秘症でご高齢な方、妊婦さんもその安全性から広く処方されます  

    

◆牛乳 

酸化マグネシウムを服用中の方が大量に牛乳を飲むとアルカリ症候群(ミルクアルカリ症候群)になることがあります。カルシウムが増えすぎるのが原因です

高マグネシウム血症 症状は「激しい嘔吐・意識障害」などです

適量であれば、心配ないので(1回500mL以下、1日1L以下)毎日大量に飲みたいくらい牛乳が大好きな方でなければほぼ心配不要なものです

 ※上記牛乳とマグネシウムの相性としては時間を空けても同時服用でも変わらないので注意が必要です

◆成分

抗生物質・抗菌剤  

一部の抗菌剤・抗生物質と併用で吸収が悪くなり、効果が減弱します  

ニューキノロン レボフロキサシン・オフロキサシンなど 

テトラサイクリン ミノサイクリン・ドキシサイクリンなど 

セフェム系の抗生物質の一部 セフジニル・セフポドム プロキセチル 

発熱、喉の不調、腹部、尿症状・歯科の抜歯等の処理など様々な症状が細菌が関与し抗菌剤処方の可能性があります 

酸化マグネシウム服用中の方は急性症状にて受診時にお薬手帳などを問診時提出しておくとよいです 

もちろん忘れても薬剤師が薬局にて併用はしっかりチェックします

吸収が落ちる抗菌剤処方時は2時間程度の間隔をあけて服用するようアドバイスされます

とくに言われない(説明されない)場合は、併用可能な薬なので一緒に飲んで差し支えないです

鉄剤  

マグネシウムと服用しても吸収や効果の大きな差がでたデータはありません

しかし近い時間帯に酸化マグネシウムを服用すると、胃酸が抑えられ、鉄剤の吸収がやや減少すると言われます

薬の説明書き(添付文書)にも記載があるので、厳密に気にするなら時間を空けてが推奨です

鉄剤⇒2時間以上⇒酸化マグネシウム  

酸化マグネシウム ⇒3~6時間 ⇒鉄剤  

  

胃腸の薬   

便秘でよくいっしょに指示されるビオフェルミンは同時継続服用して問題ないです

ポリカルボフィルカルシウム:便秘型(硬便)の過敏性腸症候群という疾患に効果のある薬で、酸化マグネシウムが胃酸を抑えることで効果が下がる可能性があります

便秘症で複数医院を受診する場合など注意が必要かもしれません  

骨の薬(骨粗しょう症の治療) 

ビタミンD3(骨が作られるサイクルを改善する)は酸化マグネシウムと併用で高マグネシウム血症になりやすく、副作用がでやすくなります

ビスホスホネートという種類の薬はマグネシウムとキレートを作って吸収を減らし、効果が下がります

服用時間を30分以上空ければまったく影響は無くなります

骨粗しょう症も便秘症状も高齢者、高齢女性に多いので上記併用は特によく処方をみかけます 

  

他 一部の胃の薬や鎮痛消炎剤も効果に影響するものもあります

【まとめ】  

酸化マグネシウムと飲み合わせ注意の薬は基本は2〜3時間間隔を空けましょう

神経質になり過ぎず、吸収効果をよくするため可能な限りでよいと思います

服用時間が近くなり、吸収が半分程度になってしまったとしても服用しない不利益の方が格段に上だと患者様にはよくお伝えしております

服用中の方は医療機関受診時はお薬手帳を提出し、相互作用対策の説明を医院・薬局で必ず聞きましょう

また酸化マグネシウムは市販でも現在は販売しているので、市販薬や健康食品購入時には薬局薬剤師・登録販売者からのアドバイスも聞ける環境となっています 

飲み合わせの質問をするのは医療機関でも店舗でもお金はかかりませんので  

今回もご拝読ありがとうございました

用語) 

併用:あわせて一緒に服用すること 時間を空けて服用や、同時に飲まなくても同一期間に服用していると併用と言います

高マグネシウム血症 :血中のマグネシウム濃度が高くなった状態 筋力低下、低血圧、呼吸障害などの症状が起きやすくなる

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