薬の服用タイミング ~食間服用とは~

薬局

食後は何分後が一番効果良いか、食前飲み忘れたらどうすれば良いか

こんにちは

薬剤師サカモトです 

本日もお越しいただき、ありがとうございます

今回は薬の服用タイミング紹介です

そういえば薬剤師になりたての頃、「食間っていつだろう?変わった用法だなあ」などと思ったり、でも当時は大好きなiPhoneもなくて、ノートパソコンも持ってなくて、一人薬剤師の調剤室で黙々と分厚い本と戦っていた記憶があります

記事を読んで分かること 

  • 処方頻度の多い服用方法用語 
  • 医師がその用法を処方せんに書く理由 
  • 実は食後ではなくてもいい薬と、食後じゃないと効果良くない薬がある

医師が指定する用法の理由

本章にて説明する用法を医師が指定するのは多くの理由(処方医師の考え)があります

薬を作ったメーカーの推奨(健康保険適応可能な決められた服用方法であること)や、また変則的で推奨されていない用法でも、長く頻繁に処方実績のある薬に関してはその医師独自の服用方法が選択される場合もあり様々です

決めれている用法と異なっても患者様が飲みやすい用法を考え処方する医師も多いです 

1 食間 

食事最中ではなく、食事と食事の間です

漢方薬など空腹時服用を目的としていることが多いです

空腹時指示薬は食事からおおよそ2時間以上後と1時間以上前くらいの服用が推奨です

”朝夕食間” →昼頃ではなく、

朝食2時間後くらいと、夕食2時間後くらいです

毎食間と指示があるときは毎食2時間後に服用すると良いでしょう

2 食後 

一般的な食後は食後30分とよく記載されますが、食事してすぐ~30分程度でいつ飲んでも大丈夫です

30分待つ必要は特別ありません

”食直後”と指示がある場合は意味があることが多いです(食事の後すぐ、つまりは「ごちそうさま」のとき服用です

食事と混ざったほうが効果が良いもの(食事の消化を助ける薬)や胃腸への副作用のある薬(鎮痛消炎剤など)の吸収速度を和らげるためのものなどです

単純に飲み忘れないように毎食後や朝夕食後と指示の場合もあり、食事影響が全く無い薬もあり、その場合は薬が体内において減る時間により、〇〇時間程度開ければ1日△回可能な限り均等にいつ服用しても良い、などと説明可能な薬もあります

  • 例1)ビタミンE・高脂血症の薬など:食事に含まれる脂質(油分)に溶けやすく食直後が吸収よくて効果良いです 
  • 例2)消化剤:食事の混ざって消化酵素の効果がよく発現します
  • 例3)胃腸に負担のある薬・消炎鎮痛解熱剤など:副作用を和らげる目的での食直後服用の薬は、その吸収を食事と一緒にさせることでゆっくりにして体に入り効果が出るのをゆっくりにするためです

「牛乳と一緒に」というのも、その脂肪分が吸収されるのといっしょだと薬品の吸収も緩やかになります

1日2回しか食事しない人の毎食後

もし、食後じゃないと効果や意味がない場合は文字通り2回のご飯の後で良いでしょう

食後ではなくても良い薬(胃腸に負担少ない・吸収も落ちない)でしたら朝・昼・夕くらいで4〜6時間空けて服用がおすすめです

3 食前 

一般には特に指示がなければ食前30分~直前頃いつでも大丈夫です 

食前服用の理由は医師・薬剤師の”服薬指導”を聞いた方が絶対よいです

理由を知っておくと、食前忘れたときは食後飲んでよいか、不要だから次回まで待ってよいかなどもわかります

例1)吐き気止めや胃腸の動きをよくする関連の薬は食前服用により、食事中の不快感や吐き気が和らいだり、食事をスムーズに運ぶ効果に期待できます

またこれらは食前服用できず、食後に不快感がある時にも効果が期待されるものもあります

例2)糖尿病の薬は食直前が多く、糖分がブドウ糖として吸収されるのを遅くする薬など食後だと薬効はほぼないため、食事終盤で飲み忘れに気づいた時は服用をスキップします

例3)飲んですぐインスリンが速く多くでる薬を飲んで食事をしないとインスリンで血糖値が下がるだけで、低血糖が起こり、命にかかわることもあります

食前に忘れたらその服用は省略していただく糖尿病の薬は多いです

例4)漢方薬の多くは食前が推奨され、胃が空っぽに近い方が吸収・効果がよいためです(食事直前より気持ち少し前が良いです)食後でも吸収が落ちる程度で服用して良いと思います

まれに胃に負担ある漢方薬は食後指示なこともあります

漢方専門医はよく食間”や空腹時”も使います

4 起床時・就寝前 

起床時

起床時の多くは食事の影響を受けない時間の服用が目的です 

また起床時飲み忘れた場合、その日のうちならいつ飲んでもよい薬もあります

飲み忘れたら次の日まで服用を待つ薬もあります、薬剤師の初回説明は注意して聞く必要がある用法です

寝る前

就寝前服用は寝つきをよくするための薬、眠気が出やすい薬、また就寝前もまた起床時同様空腹時が好ましい薬も選択されやすい用法です

例1)(起床時)骨を強くする薬(毎日タイプ・週一回タイプ・月1回タイプなどがあり、起床時服用し、30分横にならず、食事もしない薬)これらの多くは飲み忘れたら次の日まで服用延期

例2)(起床時)血圧の薬等、朝早くからや午前中に血中濃度を高くしたい場合・または就寝前服用で起床前から血圧上昇を抑えたい場合なども

例3)(寝る前)便通を良くする薬(便通無い日の就寝前に服用し、次の日の便通に効果期待・また空腹時に推奨の刺激性下剤は多いです)

5 屯用・頓服 

必要な時(痛み・発熱・下痢・不安・かゆみなど症状の強い、つらい時)服用・使用する薬で継続して服用することは不要な薬がこちらの用法指示です

頓用の指示の薬は飲まないに越したことはないですが、多くの薬は辛い症状が我慢できない辛い症状や精神状態を和らげるのが目的ですので、しんどかったら我慢しないで服用しましょう

頓服指示薬の多くは治療目的より自覚症状緩和が目的ですが我慢した方が治りが速いことはほぼありません

効果時間、次回服用までの間隔、1日何回まで飲んでよいかなども薬剤師からきいておいていただきたい用法です

まとめ 

食事の後、前など服用・使用時間指示の理由は知ったほうが飲み忘れた時どうすればいいかや、効果的に薬を飲む患者様の意志につながると思います

食前に忘れたときは、食後でもよい薬もあります

飲まないで次の食前を待つべき薬も、もちろんあります

時間が無くてもおうちに帰って何故だろうってならないようにここだけは聞いておきましょう

お名前呼ばれてすぐ「おいくら?」と聞かず、数分だけ説明聞いてみてください

本日も最後までお読みいただきありがとうございました

コメント

タイトルとURLをコピーしました